TM021. ノッキングについて

我がダイナの場合、その音はタコメータが1800回転に差し掛かると聞こえてくる。ハンマーを打ち付けるような打撃音と同時に細かい振動がミッドマウントの両方のフットペグ付近に集まってきて足の裏がかゆくなる。これってもしかしてノッキング？カン・カン・カン！っていう耳障りな音。5速の時はより顕著に聞こえる。

でも、そもそもノッキングとは一体なんやろう。まずはそれが知りたい。

全くの余談、エンジンの「ノッキング」を英語で言うとたくさんの呼び方がある。多くの人は一般的に”pinging”と呼んでいるみたいで、”surging”とも言う。他にも”detonation”、”hesitation”、”rattling”、”spark knocking”と多種多様だ。これは、日本語でも「息切れ」とか「ギクシャク」とか言ったりするのとそう変わりなさそう。でも、よく調べてみたら、”Detonation”と”Spark Knock”はノッキングの原因そのものを指している言葉だった。

単語	意味
Detonation	異常燃焼。スパークプラグのスパーク以外の何かが原因でガスが燃焼しエンジンが激しく振動する。燃焼室内に付着しているカーボンが熱で焼けて火種となるなど。オーバーヒート、薄い燃料、オクタン価の低い燃料など。
Spark Knock	スパークプラグの点火タイミングが早すぎて起こるノッキング。

上の２つ以外にも、たとえば、エアフィルターの目詰まりがひどい場合や激しいオイル漏れなどでノッキングが起きる場合もある。

幸い、最近のハーレーは異常燃焼が原因で起こるノッキングに関しては対策が講じられているようだ。Ion Sensing Systemというのが異常燃焼特有の変位をコイル内部で捉え、ECMがこのデータをもとに点火のタイミングを遅らせてノッキングを抑えている。しかしこれはノーマルECMに限った話。一方、ジッパーズのコメントによるとサンダーマックスはノックセンサーを利用していない。このECMがノッキングに対する調整（点火タイミング）をなんら自動で行っていないのは事実のようだ。

改めてカンカン音を考えてみるとハイオク入れてるし、カーボンが堆積するほど走ってないのでそれら異常燃焼の類ではないと思う。エアクリーナーは新品でオイル漏れもない。もともと2000回転以下では充分なトルクを得られないのでカンカンと音がなるのは仕方がないかも知れないが、それでもspark knockとAFRを疑ってみる価値はあると思った。

次回は「タイミング設定について」です。