Alpha-Nシステムであるサンダーマックスでは、エンジン回転数とスロットルポジションが燃調計算の基本的な定数として使われている。これらの定数は256回転ごとに区切られた32枚のAir/Fuel Ratio vs TPS @ rpmチャートの上でお互いが紐付けされている。各チャートに32のスロットルの位置を示すポイントがあり、32枚X32で合計1024の場面を想定してガスの濃い/薄いを設定する。今回はこれを編集してみたい。
<チャートの編集方法>
0 rpmから順番に32枚のチャート全てを編集します。チャートの縦軸は混合比、横軸はスロットルの開度となっている。方向キーを使ってAFR軸に沿ってポイントを上下に動かし、燃料の薄い/濃いを調整する。上に動かすとガスが薄く(燃費重視)、下げるとガスが濃くなる(パワー重視)。
AFRの目安は、ストックはAFR14.7(だったと思う)。バランスの良い数字はAFR13.1。複数のポイントを一気に動かす方法はアイドリングのときと同じ。[LINK]して[Monitor]ボタンを押すと現在のTPSの位置が縦方向のラインで表示されるので、実際にアクセルの開け具合を確認できる。LINKして加えた変更はリアルタイムでECMに反映されるので、ON/OFF初期化は必要ない。
0 – 1792 rpmアイドリング/街乗り 以下を想定して、TPS15°以下を濃く設定しました。 1.力強い発進 2.信号待ちで冷却効果 3.エンジンブレーキ時のグルグル音(未燃焼ガス)対策 マップを順番に写し取っていきます。 [Ctrl] + [Alt] + [c] で現在のマップ全体をコピー [Ctrl] + [Alt] + [v] で次のマップに貼り付ける |
上の3つのチャートのAFRを一つの表にまとめるとこうなります。
TPS (スロットル) | |||||||||||||||||||||
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RPM (回転数) |
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<編集の結果>
この設定で街乗り+山坂道で3タンク分ぐらい(約500km)走ってみた。高速道路なしで灼熱の渋滞に何度もはまった。ワインディングロードでも特にパワーが足りないということはなくストレスなく走れて楽しかった。燃費は13.7km/L (32.2mpg)
車両データ: 2006 FXDLI ハーレーダビットソン ローライダー Twin Cam 88 ThunderMax AutoTune Firmware 4.5 SmartLink IV 2007.0.6 デイトナマフラー(94db) ノーマルエアクリーナー |
次回はカスタムパーツ「S&Sエアクリーナー」です。