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TM025. 減速時のアフターはなぜ起きる?
2007年9月30日
減速時のアフターはなぜ起きる?色んな掲示板に書き込まれていたことを、まとめてみるとこういうことだった。
<減速時のアフターファイヤーが起きる状況>ある一定のRPMで走行している。そこでライダーが減速を決断する。スロットルが戻ってスピードが下がり始める。ここでバン。
<アフターファイヤー発生のメカニズム>減速時、スロットルを閉じることにより、スロットルプレートも閉じる。これにより空気と燃料の流入が減少して、結果的にシリンダー内部に圧力の降下が生じる。混合気体が燃焼するスピードは気圧に比例するため、この場合は燃焼スピードが遅れてガスがゆっくり燃える。加えて燃焼温度も下がる。未燃焼ガスが発生し、これが炎を更に冷却して燃焼をまた更に遅くする。こうしてガスが燃えつくす前にエキゾースト側のバルブが開き始め、未燃焼ガスがエキゾーストパイプに追い出される。そして、エキパイに満たされた未燃焼ガスに炎が追いついて「バン!」となる。ほんまかな。
<考えられる対策は二通り>
1)ガソリンの供給を止める2)ガスを濃くして完全燃焼させる
或いは、濃くしてエグゾーストヘッダで燃焼できないくらい冷却するのがよいのかもしれないっという意見もあった。いずれにしても燃料を濃くすることに違いはない。
<で、この問題をサンダーマックスはどう解決するのか>
上の「1」を実現するにはファームウェア4.5以降のDecel...
TM024. On 30秒 Off 30秒 x 3回で何が起きている?
2007年9月26日
マップを書き込んだ後などに必ず行わなくてはならない初期化(Initialization)。イグニッションON-OFFの操作をするとECMには何が起っているのだろうか。そこが知りたい。
驚いたことに、ECMには普段の起動動作以外に別段何も起きていないみたいだ。影響があるのはインジェクションのIACステッパーモーター。イグニッションON/OFFすることによりモーターが物理的に動き、起点の位置(ホームポジション)に戻る。こうして正確にIACのゼロ基点を出すことが初期化の主な目的のようだ。
そのため、ON/OFFの作業をおこなっても、ECMには燃調(AFR)やIACストップ(アイドリングのオフセット)などのデータが手付かずで残る。これらをリセットするにはスマートリンクから操作しないといけない。
(学習データをクリアした後はON/OFF初期化をする)
スマートリンクにはIAC-AUTOなどで変更されたIACストップ値を元のベースマップの形にリセットをする機能はない。なので、アイドリングの学習をやり直したいときは、LINKボタンを押してからIACストップのチャートのポイント一つ一つをマウスでつまんでベースマップの位置まで戻さないといけない。
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TM002....
TM023. もしO2センサーが壊れたら・・・
2007年9月19日
もし急に燃費が悪くなったとしたら、まず手首の使い方と長時間のノロノロ運転がなかったかを考え、次にアイドリングの様子を見てみる。
もしアイドリングが安定しない場合、インジェクターの詰まりや汚れ、インテイクの2次エア漏れなどをチェックしてみる必要がある。
アイドリングが安定している場合は、Closed Loop MODULE Settings の AFR Overrideにチェックが外れていることをチェックし、その上でO2センサーの寿命を疑ってみる。スマートリンクでO2センサーのシグナルをチェックして異常がないか調べてみる。もしO2センサーが壊れてしまったら、もちろんClosed...
TM022. タイミング設定について
2007年9月16日
<前回からの続き> RPMが1800に差し掛かると、エンジンから大きな音がする。ハンマーで打撃するような音。ノッキングを疑ってみたが、タイミングの調整で何か変化はあるのだろうか。実際にソフトを使ってタイミング設定をいじってみた。
ソフトは2007年7月に公開のスマートリンク。このバージョンではタイミング設定が大幅に改善され、ベーシックソフトでも点火タイミングを細かく設定できるようになった。本来なら、タイミング調整はダイノマシンを持っているチューナーに任せるのがベストだと思う。それでもなお、ダイノなしでタイミングをいじるにはどうやったらよいのだろう。なにかシステマチックなやり方はないのだろうか。
疑問となるポイントをマップ上で発見しないといけない。で、下のようにやってみた。
1)スロットルに目盛を貼って、疑問のあるRPMと目盛の位置を記録する
2)おうちに帰ってLINK&モニターボタンを押す
3)記録した目盛までスロットルを動かしてTPSの数値を得る。
4)記録したRPMとTPSに対応するポイントを見つける
その結果、1792rpmのタイミングマップのTPS12~15度あたりが怪しいということになった。
タイミングを編集する際の指針は海外のサイトから調達。ここから先の作業はエンジンに深刻な影響を与える可能性があります。
1)ノッキングが発生しているポイントに狙いを定める
2)パワー重視の場合はAFRマップでAFRを下げてノッキングが除去できるかどうか見る
3)そうでない場合はタイミングを適度遅らせる
4)その前後のポイントも調整する
5)タイミングを整えたあと燃料を削れるようなら削る。(推奨値:AFR13.1)
Alpha-Nシステムのサンダーマックスは気温や湿度を感知しないため気象条件を想定して設定する必要がある。資料によると、気温が高い又は乾燥している場合は1~2度、寒い又は湿(しつ)度が高い場合は3~4度遅らせるとのこと。
この状態でテストランへ出たが全く変化がないので1キロも走らずに車庫へ帰る。
結局、タイミングを3度遅らせて、さらにこのポイントのAFRを13.1に設定してみた。普段は2000回転で消えるカンカン音が1900回転付近でなくなるようになった、1800回転前後には依然劇的な変化はない。ここで雨が降ってきて今日は作業終了。
<2007年09月17日追記>
その後、1536-1792rpmのマップを全体的に1度遅らせた。またAFRを全域13.1に固定してみた。5速1800回転のカンカン音にはなんら変化なし。しかし4速と6速はえらくスムーズになった。6速2000回転以下で普通に走るのにはかなり感動。。
最終的には、問題のポイントでタイミングを4度後退させたところで手ごたえがあった。これが正味どんな変化だったのかを確かめたい。編集前のマップを載せて比較してわかったことは以下のとおり。
1)編集後、2000回転以下の「バタバタ感」が4速と6速でかなり減った。
2)編集前の方が加速がよい
3)5速のカンカン音はやっぱりノッキングが原因ではなさそう
次回は「もしO2センサーが壊れたら・・・」です
TM021. ノッキングについて
2007年9月12日
我がダイナの場合、その音はタコメータが1800回転に差し掛かると聞こえてくる。ハンマーを打ち付けるような打撃音と同時に細かい振動がミッドマウントの両方のフットペグ付近に集まってきて足の裏がかゆくなる。これってもしかしてノッキング?カン・カン・カン!っていう耳障りな音。5速の時はより顕著に聞こえる。
でも、そもそもノッキングとは一体なんやろう。まずはそれが知りたい。
全くの余談、エンジンの「ノッキング」を英語で言うとたくさんの呼び方がある。多くの人は一般的に”pinging”と呼んでいるみたいで、”surging”とも言う。他にも”detonation”、”hesitation”、”rattling”、”spark...
S&Sエアクリーナー (vol.16)
2007年9月9日
なんだなんだ、この加速は~。興奮冷めやらぬうちにコメントを書いておかないと。。エアクリーナーの交換でこんなにも変わるの?
今回のカスタムパーツはS&Sのエアクリーナー。ディーラーで「何かよく吸うやつがほしい」と相談したら、これを勧めてもらいました。第一の感動は、エンジンをかける前。その美しいルックスに見とれてしまった。そしてエンジン始動。そしたら、新しいエアクリーナーの辺りからチュ・チュ・チュ・チュと音がする。うわ^^;...
TM020. AFRの編集
2007年9月5日
Alpha-Nシステムであるサンダーマックスでは、エンジン回転数とスロットルポジションが燃調計算の基本的な定数として使われている。これらの定数は256回転ごとに区切られた32枚のAir/Fuel Ratio vs TPS @ rpmチャートの上でお互いが紐付けされている。各チャートに32のスロットルの位置を示すポイントがあり、32枚X32で合計1024の場面を想定してガスの濃い/薄いを設定する。今回はこれを編集してみたい。
<チャートの編集方法>
0...
TM019. エラーコード一覧
2007年9月2日
前回、エラーコードの表示させる方法をメモしました。エラーコードは以下のとおりです。以下はネットで拾った情報です。
code
意味
B0563
Battery Voltage High TSM/TSSM
B1004
Fuel Level Sending Unit Low Instruments
B1005
Fuel Level Sending Unit High/Open Instruments
B1006
Accessory...
TM018. セキュリティー(鍵)ランプ点灯、これは一体?
2007年8月30日
タンクダッシュのセキュリティーインジケータ(鍵マーク)が点灯したら、それはモジュールのエラーコードが発生したとき。エラーコードを車体で確認するには以下の手順を実行する。
1.イグニッションをオフ、RunスイッチをRUNにする
2.オドメーターのリセットボタンを押し込んでホールドする
3.そのままでイグニッションをONにしてリセットボタンから手を離す。液晶のバックライトが点灯し、スピードメーターの針がぐるりと回転、各種インジケーターランプが点灯し、液晶に「diag」が出現する。
4.オドメーターのリセットボタンを一度押すとメニューが現れる。”PSSPt”(最初のPが点滅)
5.それぞれの文字は診断するエリアを表している。エリアを選択すると対応する文字が点滅する。一つ隣の文字を選択するには、オドメーターのリセットボタンを一度だけ押す。最後の”t”の次は最初の”P”に戻る
文字
診断エリア
P
ECM/ICM...
TM017. どこまで自動なのか
2007年8月28日
サンダーマックスはAlpha-N。一方、ストックECMはSpeed-Densityだという(※)。これっていったい何のこと?
調べてみたら、これらはどちらもEFIエンジンが必要とするガスの混合濃度を正しく測定する手法についている名前だった。もはやハーレーも全てのモデルにEFIが搭載される時代となった。EFIはコンピュータ(ECM)によって制御され、さまざまなセンサーからの信号がECMで正しい燃料量の計算をするための基本的定数として使われている。そのやり方のことらしい。
その点において、サンダーマックスとストックのECMではまるで中身が異なっている。サンダーマックスはアルファNと呼ばれるシステムを採用している。これは主にエンジンRPMとスロットルポジションという2つのセンサーからエンジンの負荷を計算して吸入する空気量を決定する。一方、ストックECMはSpeed-Densityを採用していて、インテークマニホールド内の一定の圧力(MAPセンサーのシグナル)を計算定数として使っている。インテイク内部の圧力が低い場合は負荷が少なく、圧力が高い場合は負荷がたくさんかかっていると判断して必要な空気量を計算するのだそうだ。
これら二つの手法のどちらがどう優れているかという問題は趣味でハーレーに乗る私には難しくて分からない。興味があるのは、サンダーマックスがalpha-Nであれ何であれ、コイツがどのようにして働き、何をしていて何をしていないのかを知りたい。いまさらのことやけど・・・調べてみた。その結果、サンダーマックスは次のような特徴がある。
1.Speed-Densityで最も重要なMAPセンサーをAFR計算のために使っていない2.その代わりにAlpha-N(RPMとTPS)とO2センサーを使って燃調を自動補正する3.点火タイミングの自動補正はしない4.アイドリングは自動補正される
サンダーマックスのAlpha-NシステムはAFR...
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